NGC598

まいにちの記録

2018/07/22

映画 彼女がその名を知らない鳥たち を観た。twitterでフォローしている方が面白いと言っていたから。私はその人の薦める本や映画を結構観る。だいたい自分にもハマる。

 

結論、とても面白い映画だった。

登場人物は全員クズで、映画のコピーでも共感度0%、と唄っていた。確かに誰にも共感して泣くことはなかったけど、彼らの持っている一部分ずつは自分にもあると思った。

  

ここからはネタバレ

 

 

十和子はじめもろもろのクズが自分至上主義の恋愛ごっこに酔っている中、ジンジだけは十和子のためになんでも、ほんとうに何でもできるほど愛していた。いや、違うな。十和子も不倫男たちのためになんでもしたし、ジンジが十和子のためにとやってきたことも全て自分至上主義か。根本は一緒だった。見せ方が違うだけだった。ジンジが十和子に最後にかけた呪いは強烈だった。RADWIMPSかと思った。

十和子は離れてく男を刺したけど、ジンジは十和子に永遠の呪いをかけて死んだ。

私はジンジのやり方が好きだな。

多分野田洋次郎も共感してくれると思う。

 

十和子みたいにわがままいってもすべて受け止めて愛してくれる人が欲しいと思う反面、

実際自分が十和子ならすぐに不倫男たちのほうへゆくのだろう。そしてその男たちと過ごす時間は、ジンジと過ごす時間の何倍も、いや、比較できないほど幸せに感じるのだとおもう。その結果また孤独になるとしても。

本当に十和子を愛しているのが実はジンジだったとしても、うわ言の愛の言葉を囁く男たちに裏切られたり泣いたり笑ったりしながら暮らすほうが十和子にとっては幸せだったのだ。

ペラッペラのセリフを吐く松坂桃李にエロいキスされたらもってかれる。それにしてもクズすぎて笑ってしまった。

 

ジンジが死んだところで、十和子はジンジを好きにはならない。ただ呪いとして心に残り続ける。それだけだと思う。

 

愛ってよくわからないけど、相手を思うがゆえにやっていることはすべて自分の利に落ち着くのだと思った。形は違えど。

相手を刺すか自分を殺すか、やり方が違うだけ。刺しも自分殺しもしなくてもずっと、共にいられる人同士が惹かれ合えばうまく行くのかな。全く全てピッタリは無理でも。

 

まだ考えることの多くある映画だった。

みてよかった。とても面白かった。