NGC598

まいにちの記録

給水塔と雨の夜

昨日からあんまり元気がないのは雨のせいかなあ

情報を入れる気にならなくて、好きな番組もみないで本を読んでいた。

 

今日は少しマニアックな、好きなものの話。

いつものごとく取り止めないです。

 

本棚にある給水塔の写真集が目に入ったので久しぶりに手に取った。

建造物の写真をみるのが割と好きなんだけど、その中でもいくつかお気に入りがあって、その一つが給水塔。

 

ピンとこないかもしれないけど、市街地に建っている変な形の塔だ。

f:id:NGC598:20200518235911j:plain

給水塔/比留間 幹

 

少し前に、工場夜景マニアや、廃墟マニアが流行っていたと思うけど、これもその類かな。

 

給水塔は、”住宅街に突然現れる訳のわからない形の建造物”という部分に魅力を感じた。

無機質であたたかみなど感じないのだけど、

人の営みに必要だからそこに居る。

よくよく写真を眺めていると、給水塔の近くには団地があることも多い。

この給水塔が団地の人々の生活に役立っている。

人の営みと絡めて眺めると、無機質で訳のわからない形の建造物にじわじわと気持ちが入っていく。

 

給水塔を初めて意識してみたのは、高校入学のときだ。

高校のすぐ近くに給水塔と給水タンクがあり、登校時と下校時にそれは必ず目に入ってきて、夕方にみると薄暗くてかなり不気味だった。友達とよく近くまで見にいって、螺旋階段を上の方まで登ってみたりした。(本当は侵入しちゃだめです)

そこから何年経っても、やはり給水塔は気になる存在として意識の中にいる。

 

人の気配を間接的に感じられるところがいいのかな。

物静かで、自ら主張することなどなく、しかし確実に異様な存在感を放っている。

夜中にみると、そこだけ宇宙人が建てた基地みたいにも見える。

あまり近づくと違う世界に連れて行かれそうな怖さもある。

でもその静かな佇まいに落ち着く気もする。

 

向こうから強く訴えかけてこないから好きなのかな。

でも、それは今みてる写真集をつくった写真家のみせ方にも依るか。

手元にある写真集は、写真から特定の感情を想起させようという意思があまり強くない気がする。

そこが気に入っている。

こうみて欲しい!という主張の強い写真はあんまり好きじゃない、かも。

受け手に解釈の余白があるのがいい。

写真をみるたびに違う感情で向き合えるのも面白い。

 

いろんな要素をひっくるめて、謎深く、物静かな存在に惹かれている。

これからもきっと興味深く見守ると思う。