NGC598

まいにちの記録

30歳から先の未来

ついこの前まで、30歳から先の未来について思いを巡らせたことがなかった。

もう決して遠い未来ではないのに、割と本気で。

 

こうなりたい理想の自分を想像するとき、30歳を上限としていたことに気がついた。

その歳でわたしは”完結”で、それまでをどう過ごすか?ということしか見えていなかった。

 

「30歳で死ぬと思って生きてる。」

高校生の頃、仲の良い友達から放たれたこの言葉がひどく印象に残っている。

「そう思えば何でもできそうじゃない?」と続いた。

 

深く納得して、安心した。

想像のつかない未来や、目の前の進路についてモヤモヤと考えていたわたしに

30歳という期限がつくことで、それなら生きられるかも、と思わせた。

 

大学を経て社会人になっても、30歳で終わりだし、という感覚が意識の中にずっとあった。

期限があることで毎日を頑張れることもあれば、

その日暮らしを肯定して未来の計画から逃げる言い訳にも使えた。

正直今もその感覚が消えたわけではない。

 

けれど完結まであと3年という頃、仕事でお客さんと打ち合わせをしている最中、

取引先の方がぽろっと「僕今40ですけど〜・・・」と言った、その瞬間にハッとした。

 

すごく仕事のできる方で、その人に憧れていた。

わたしもこうなりたい!と思っていたのだけれど、

わたしにとって、「こうなりたい理想の自分の姿 →上限は30歳」だから、勝手にあと3年で届かなきゃ、と思い込んでいた。

 

だから40歳と聞いた時に、あと13年ある!!!??と思ったの。

衝撃的だった。

30歳から先の未来の存在にその時初めて気がついた。

あと3年でどうにか理想に届かなければいけないと、焦ったり諦めたりしていた頭が開けた。

13年あったら、この人に届く可能性は十分にあると思えた。

とても大きい希望だった。

 

今でもすぐに、もう時間がないと焦ってしまうのだけど、

その時はこのことを思い出そうと思う。

長いスパンで見ればいい。

30歳から先の時間はまだたっぷりある。

40、50、60どんな人間になっていけるだろうか。

何を叶えていけるだろうか。

 

期限付きでないことは、いつの間にか怖く無くなっていた。

最近は時の流れがものすごく早いし。

明日期限が来るかもしれないし。そっちのが怖い。

 

 

30歳の自分は通過点だ。

先の理想を見据えながら、その日を迎えたい。

通過点を通る頃、今より自分に納得していられたらいいなと思う。